息子のこと
昨年の春に、第3子が生まれた。
身長は50cmを超え、体重も3,000gを超えた、立派な男の子。
ただ、産声を聞くことはできなかった。
息子はお腹の中で亡くなって生まれてきた。
医学的に言うと「死産」になる。
何も異常なく順調な妊娠期間を過ごし、臨月も超え、正期産なのに、死産。
もういつでも外へ出て生きていけるまで成長したのに、お腹の中で命を終えた。
原因は不明。
「38週でIUFD(子宮内胎児死亡)による死産」ということしか分からない。
よく耳にする常位胎盤早期剥離(俗に言うソウハク)でもなければ、臍帯過捻転でもない。
正産期に入ったのに生きて会えないなんて、考えもしなかった。
そんなこと誰も考えないよ。
37週以降に死産する確率は0.2%だそう。
そんな確率に自分が入るなんてね。
未だに信じられないし意味が分からんよ。
息子を亡くしてから、自分という人間が分からなくなった。
思考や価値観が大きく変わり、多方面に対して心を閉ざした。
生きるのが下手になった。
苦しい。
以前の自分には戻れない。
息子を亡くした悲しみ、自分が変わってしまった苦しみ、あらゆる辛さを抱えてこれからを生きていく。